個の力・組織の力を活かす

どうすれば自分の職場で実践できるのか、その実践から積み上げられた知識や経験をどのように後任へ継承できるのか

それでも〆切が守れない

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〆切をわざと早めに設定すべきなのか、〆切のかなり前から進捗状況を確認すべきか…1度や2度ならともかく、繰り返してしまう相手に悩まされることは、誰にでもある経験の一つだと思います。

一回目の失敗の時の「指導」が影響するのか…〆切ネタではないですが、私は社会人になって間も無く大遅刻を一回したことがあり、生涯忘れることのない「地獄」を味わいましたので、時間には厳しく考えられるようになりました。とはいえ「きちんと指導」すれば変わるか、と言えば、効果は人によると思います。
この〆切のダメな職員、実はベースとなる仕事のやり方がダメで、その成果?の一つが、「〆切守れない」なのだと思います。つまり、〆切以前に指導すべきことがあるのだろうと。電子フォルダの管理方法が意味不明、なんてことはありませんか?
失敗を責めるのではなく、失敗の背景を一緒に丁寧に考え、仕事を通じて、ダメフォームを改善する。私自身、フォームの改善をして頂いたおかげで、今があります。
だから、明日も気長に付き合おうと思います、その職員がいつか指導者になる日まで。これからも、職場における人材育成好循環の起点でありたいと思います。

 

 

そこで、まず一番を目指せ

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「配属された職場の守備範囲の業務で、まず一番になれ」…民間から転職し、初めの上司からの、今でも大切にしているアドバイスです。
システム入力でもよい、文書事務でもよい。周りから「こいつには勝てない」と言われるくらい、与えられた仕事を熟達し、周りをサポートできるくらいに成長してから、自分のやりたい事を話してみろ、という上司でした。このおかげで、転職組にありがちな「組織文化全否定」にはならずに済んだように思います。組織から信頼を得る秘訣のようにも感じています。
「組織内でまず一番」を達成するためには、経験者の実践的知識をいかに盗み、自分のモノにするか。ただ同じ仕事をダラダラやっている職員から実践的知識を引き出すことは難しく、わが業界において人材育成を困難にしている原因の一つのようです。そのような環境下で「まず一番」を目指すことが、転職組の私を本気にさせてくれました。そのおかげで、今があると思います。
わが業界は・わが組織は、たしかに困難だらけ。この環境下で「まず一番」を目指すスタッフを育てることで、層の厚い職場を目指したいと思います。

 

 

 

堂々と実務家でありたい

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今月はいくつかの研修会等で、自分の考えをお話しさせて頂く機会を得ました。いつも同じスタンスなのですが…決して特別な考えを披露する訳でもなく、どこでも・誰でもやっていそうな「地味なこと」を軸に、提案しています。
例えば、他人が来訪したら無視しないで挨拶のできる職場、人にファイルを見られても困らない職場、担当がいなくても初期対応は誰でもできる職場…実は、わが業界の少なくとも半数がそんな状態であると思います。
(民間での人材育成部門経験を踏まえて…)これがわが業界特有だとは思っていません。どの業界にだって、このような残念職場は沢山あります。他業界と決定的に違うのは、この残念職場の改善があまり話題にならない、ということです。その意味で、地味な取り組みを堂々と人前で話す姿は新鮮なのかもしれません。
目立つ取り組みができるか否かは「配属された職場が何処か」という要素は否定できず、個人の意欲や能力だけで語られることに、少し違和感があります。どの職場にだって、重要なタスクはあり、その改善は、誰にでもできる訳ではなく、それこそ個人の意欲や能力に依存します。やったことの「目立ち具合」ではなく、真の困難度で評価してあげることが大切だと思っています。挨拶のできない職場を改善することは、人前で発表することよりも難しい…現場で苦しんでいる人ならば、共感して頂けると思います。
「私は、堂々と実務家でありたい」というメッセージを、これからも、現場で頑張っている仲間に発信し続けたいと思います。

 

 

企画力と言う前に

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こじれた案件を漠然と相談に来るスタッフ、文句が先行するスタッフ…「カタチにすることが苦手」という共通点があるように感じています。

こじれた案件については、時系列に・関係者と・主観と客観の区別をつけて、メモにしてから相談に来なさい。緊急なら、それが頭に思い描けるように説明しなさい。
漠然と不満があるのなら、コトの経緯と、関係者と、改善案くらいは、メモにして振りかえってみたらどうだろう。
普段、前年度の資料をいじる程度の方法でしか仕事をしない(させないと)と、白紙から自分の考えを表現できるようなスタッフは成長しません。上司がこのタイプだと、スタッフはもっと厄介になります。
私は、カンタンなことでも、カタチにするように仕事を振っています。異動したてのスタッフは、これが苦手なタイプが多いので、半分書いてから任せる、など、離乳食のような段階でステップアップして、慣れてもらいます。表の作り方など、スタッフそれぞれの個性が出てくると、よしよし、と。
担当業務をカタチにすることは、いわゆる妄想をカタチにすることよりも、はるかに難易度は高く、ストレスがかかります。職場で信用されていなければ、カタチにすることが難しい案件はたくさんあります。
現場で本当に必要な企画力が、この程度の仕事のやり方で身につくとは思いませんが、せめて、担当業務で、この程度が出来てから、企画力に悩んで欲しい、と。
やはり、仕事の振り方が能力開発には重要で、これを避けていては、自己満足だけの能力開発になりがちだと思っています。私も自己満足だけの能力開発にならないよう、気をつけようと思います。

時間を色付けする

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わが組織では毎朝朝礼をやっています。「やった方がいいのはわかっているけれど、何もない日はどうすればよいかわからない」という質問をたまにいただきます。いくつかのアイデアの中で、一日の使い方をあれこれ皆でコメントしあうことは、効果が高いと実感しています。

例えば、会議の時間が休み時間に重なっていた場合、学生や先生からのオーダーを誰が代わりに受けるのか…まさか「担当者がいないから適当な時間にまた来てね、はやらないよね」と。「午後は伝票確認」とコメントした場合、それは今日の午後に、一人で半日かけてすることなのか?誰がと一緒にやった方がミスは減るのではないか?
一人一人の仕事のやり方を改善することが主目的ですが、それをダイレクトにやると嫌な感情を抱くスタッフもいますから、皆でフォローしあうため、という、もう一つの目的を全面に出して、1日のスケジュールをコメントしあうと、嫌な思いもせず、自然に協力し合い、やがて、仕事のやり方が改善する。
時間はかかりますが、仕事を主体的に・楽しめるスタッフの育成には、(私含め)仕事のやり方そのものの改善は不可欠ですので、地道にやろうと思います。

監督職7つの指針+1(中間報告)

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このブログの目標にそろそろ到達すべく「まとめ」を考えはじめました。

事務室を「前向きに仕事ができる職場環境」にするために、監督職が心がけるべきことを「監督職7つの指針」として顕在化してみました(『7つの指針』表現形式は、玉川大学出版のQ&Aシリーズを参考としました)。指針それぞれに対する説明文などは未完成であり、これからブラッシュアップします。中間報告として、お付き合い下さい。
 
1.職場の有様は、倫理観が礎にあることを重要視する。
例)時間に甘い職場は、ミスが多い…
2.スタッフは自らの映し鏡であることを認識して行動する。
例)電話でのやり取り(前後含む)は組織全体に伝播する…
3.仕事の成果は振り方次第であることを理解する。
例)分担変更・席替え・様式の指定など…
4.スタッフの多様な価値観を尊重する
例)「任せ方」は、10人居れば10通り…
5.三遊間のゴロの拾い方を心得る。
例)インフォーマルなやり取りは上手に使い分ける…
6.組織を客観的に把握することに努める。
例)見えていること・知っていることだけで判断しない…
7.資質向上の機会をスタッフにも自らにもつくる。
例)上司が勉強しなければ、部下はもっと勉強しない…

番外編・(監督職とは)孤独がつきものであり、連携することで緩和することを知る。

私自身、できていない指針ばかりで偉そうに言える立場ではないですが、定期的に振り返ることで、成長していきたいと思います。

社会人反抗期

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仕事(作業)を振って「これは何でやらないといけないんですか?」「やる意味ありますか?」と聞く、生意気な男子。嫌いじゃありません。私もそうでした。上司をナメるような言動、そんなツンツンした気分、理解できます。
評価が本人の本当の能力より低くなったとしても、今の組織の中で期待される役割を果たしていない訳だから、仕方がないと思いますし、励ますつもりもありません。やがて、痛い目にあって、自分で悩み苦しみ、成長するので、必要な反抗期だと思って、放置するようにしています。
ただ、これが中堅だと困る訳です。周りもそうですし、本人自身にも若手反抗期と比べものにならないくらい、痛みや苦しみが襲ってきます。
そんな偉そうな私の社会人反抗期はかなり遅く、危うく無職を選択してしまうところでした。いよいよ危ない時に、それまで何も注意をしなかった上司が「負けるが勝ちを覚えろ」と一言だけで叱ってくれました。その時はじめて「負けるのが怖かっただけで、本質的にはどうでもよい事にこだわっていた【かも】しれない」…かも、であって完全に納得してはいませんでしたが、その視野を手に入れた事は、その後の反抗期満了に向けた自問自答にとても重要な事でした。
以来、反抗期は、そのスタッフの本質を見つめるよう黙って注視し、取り返しがつかない手間で、ビシッと言うようにしています。そうやって育ってくれた骨太の後輩と築ける職場の近未来は、きっと明るいハズ。