個の力・組織の力を活かす

どうすれば自分の職場で実践できるのか、その実践から積み上げられた知識や経験をどのように後任へ継承できるのか

そんなことを聞いているんじゃない

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相手に反対をされ、その理由を聞いて、解決策を提示しても、納得してもらえない…よくある話で、今でも苦労しています。
前職で「本社お客様センター」という、主にクレームを対応するラインに配属された時期に、いろいろ鍛えていただきました。
真正面に座らない、など、見た目の対応はもちろんのこと、話しているスタンスが「隣にいて、一緒に何かについて話している」ようなコミュニケーションを取れるようになるまで、交渉に入らない…など、よく本に書かれていることを、実際に試し、自分に合った方法にカスタマイズする事を繰り返してきました。前職経験で一番役に立っているのは、このクレーム対応の日々です。
巻き込みに失敗したな…と思う場面は、相手の真意を引き出す前に、理詰めで持論を展開している傾向があるように感じます。はじめは抵抗勢力のようでも、実は「意図を汲んでくれたら納得」というケースも多いようです。雑談して、今までの相手の苦労を聞いて、こちらの悩みを聞いてもらい…気付いたら、同じ方向を向いていたね^_^……無論、我々の業界には「モンスター」にも遭遇しますので、そんな簡単なケースばかりではありません。ただ、簡単なケースすら、モンスター状態にしてしまうコミュニケーション不足なスタッフがいるのも事実です。
毎日パソコンでワード・エクセルとメールだけで仕事をしていると、理詰めでしか勝負できないスタッフになってしまうかもしれません。「気持ちよく働く」…組織のパフォーマンスを高める重要な要素なので、コミュニケーションで勝負できるスタッフでありたいと思います。

名刺だけで生きていないか?

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23時からのニュース番組にて、複業(原文ママ)を認めたら、売り上げが伸びて残業代が2割減った、という事例が紹介されていました。我々の業界でそのまま適用することは難しいですが、内閣府webで紹介されている「パラレルキャリア」という考え方は、参考になりそうです。
仕事が忙しいから他に手が出せないのか、担当業務以外に目が向かないから、仕事が効率的にならないのか?…少人数職場など、このことが当てはまらない職場も当然ありますが、何でも仕事のせいにしてしまうのは、あまり良くないようです。
昔先輩に「決められた仕事以外何もしない奴は、つまらない事でグチグチ言う」と教えてくれました。喜怒哀楽の全てを職場で表現せざるを得ないから、職場で周りな迷惑をかけてしまう。プライベートの充実を図ることも難しくなってきた世の中ですが、会社の名前、肩書きが関係のない世界も大切にしたいと思います。

頭の中を共有する

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「ほうれんそう」のタイミングがいまいちなスタッフがおりました。遅すぎる・ポイントがズレている…これは、彼だけに原因はないと思っています。私にとっての「いまいち」なので、上司が変わればよいのかもしれない。
私自身、上司が変わる度、はじめにやることは、頭の中を共有する作業=チューニング、です。雑談をして、決裁のタイミングをいろいろ試して、どのレベルの情報までを、どの鮮度で、どのような方法(メールなのか、口頭なのか)探ります。それと同じことをスタッフもやってくれたらいいのですが、そんな都合の良い職場などそんなにありません。
ならば、自分の思考回路なり好みなりを知ってもらおう、と考えています。前提として、職場の中の人間関係が良好であることですが…私自身がいまの仕事で悩んでいること、うまくいったこと、失敗例、決断の理由などなどを、雑談として日々話します。「そんなこと考え、仕事してんだ」…それをじっくり、じわじわやっていくと、やがて「あれってさー」が通じる職場になる。先日の大雪大混乱で、4時間遅刻で職場に到着しましたが、掲示、補講、雪かき、支援が必要な学生への個別連絡…想定される初動が、勝手に&上手に進んでいました。
ただの仲良し集団を目指すのではなく、プロ集団を目指すプロセスとして、仲良しになり、信頼関係を醸成し、頭の中を共有化していく。
冒頭のスタッフ、8ヶ月かかりましたが、最近の「ほうれんそう」はタイミング抜群です。次は、上司が変わってもやっていけるように、彼自身がチューニングできるように、
自分が先輩から教えてもらった技を伝授しなければなりません。仕事のやり方をお互い学べる職場…当たり前のようで、我が業界はまだまだ難しいです。

1+1が2にならない人

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この人のためなら…魅力ある人と仕事をすれば、関わった人数以上のパフォーマンスが期待できます。反対に、10人が関わったのに1人分の成果しか出ないこともあります。
例えば5名程度に依頼する調査もの…依頼のやり方で成果は大きく変わります。ただ電子ファイルを横流しする担当者に、作業手順や背景など回答側が協力しやすい工夫を惜しまない担当者。メールだけ送りつけるスタッフと、内線でポイントをフォローできるスタッフ。担当者によって、成果はだいぶ異なります。締め切りギリギリにしか返答が集まらなかったら、それは締め切りの設定以外に問題があるかもしれません。
せめて1+1で2程度の成果を出して欲しいのですが、成果やプロセスを評価する管理監督職が不在な組織では難しいようです。我が業界は、作業手順は教えるのですが、仕事のやり方を教えることが、あまり上手くないようです。仕事のやり方は、仕事の成果やプロセスを見守らなければ、ちゃんと教えることはできません。仕事を教える、教えてもらえる環境を意識して、職場づくりに励もうと思います。




不遇な職場と、腐りかけた僕と

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新規メインの職場に配属された場合と、ルーチンメインの職場の場合、同じ意欲・能力のスタッフであっても、取り組む仕事に対する評価のされ方・満足感の得やすさ等々が、その後の働き方に影響を与えるようです。
私は20歳代の頃、周りにどんどん追い越され、担当業務の難易度も新人と変わらず、気づいたら単純作業程度のスキルしか身についていないような腐りかけ状態でした(能力のない自分のせいなのですが)。この環境で評価される訳ないだろ、と、もがき苦しんでいました。30歳手間で遅咲きながら、本社異動があり、その後はスイスイ…。
この経験があるので、あれこれ理想論を聞いても、評価が平等、なんて思えません。むしろ、それを嫌なほど分かった上で、それなりに楽しく過ごせるようになったことが「強さ」だと思っています。
この不遇職場でどう過ごすか…。
20歳代の頃の単純作業…人の倍以上やらされたおかげで、仕事のスピード、精度には自信があります。非常勤さんと仲良くなれるのも、同じ仕事をやっていたからだと思います。いまとなっては、監督職として組織をマネジメントする基礎体力作りだったのだ、と思っています。が、そんな後日談、苦しんでいた時期にわかる訳がありません。
振り返れば、先輩が愚痴をいつも聞いてくれて、否定も肯定もされず、ただ視点を広げ〈特に、遊び〉てくれたおかげで、なんとか社会人続けてこれたと思います。今は、この先輩の役割を果たしたいと思い、出来るだけルーチンメインの職場のスタッフを引き上げるよう意識しています。組織内で勉強会を仕掛ける理由の一つでもあります。
そんな私、いまはルーチンメイン環境なので、業務は「無事終了」して当たり前、新しい事は新規メインの守備範囲、業務改善しても、新規ほど目立たない(´・_・`)。今は、この環境を楽しめることが自分の強みだと思い、あれこれやっています。行動していれば、飽きる暇なんて、なくなるだろう、と。
いまでも20歳代に違う配属だったらな、と思います。だからこそ、今は充実した時間を過ごすことに注力しています。未来は、まだ変えられるかもしれないので。



勉強会をセットする気持ち〔その二〕

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入職当時、困ったのは「風通しの悪さ」「経験値だけで仕事をする風土」でした。倉庫や資料の存在すら口伝で、閉ざされた人脈の中でのみ語られる組織(._.)極端に言えば、どれほど努力したとしても、どれだけ早い時期からその会社にいたか、ただこの一点で勝負が決まる閉鎖的な環境。
この環境、我が業界特有ではなく、子会社にありがちな病のようです。それらの改善事例をあれこれ学んで、理解ある親会社上司に相談した結果が、我が社でやっている勉強会をはじめとした自主的取組です。
経験年数ではなく意欲で、情報も人脈もスキルも得ることができる環境づくり、が目標で、そのためにあれこれ約6年やってきました。今では、活躍するスタッフの話をあれこれ聞きますので、環境は確実によくなっていると思います。
はじめた当初は、わざと聞こえるような陰口、中傷などなど散々ありました。ある参加したい職員が、先輩から「行くな」と言われている、と人つてに聞いた事もあります。その時に、この人が異動して参加できるようになるまで続けよう、という思いを強くしました。
今も、あれこれ言う人はいます。ただ、こればかりは、どんなに勉強会しようが人事制度を工夫しようがあまり変わらない気がしています。それよりも「置かれた状況が変化したら、いつか行きたい」そんな、いまはまだ出会えていないスタッフの思いに報いたいと思っています。仕事の醍醐味を、社内でちゃんと味わうことのできる、健全な組織になるまで、頑張ろうと思います。

勉強会をセットする気持ち〔その一〕

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『心を鍛えるということは、自分の必要なことを続ける努力をすること』…イチローの言葉です。ちゃんと理解できていないですが、好きな言葉です。
私にとっての「自分の必要なこと」とは何か?仕事の面では「我慢」です。いくつになっても、いまだに、口と手がでてしまいます(-_-)
すると、我慢を続ければ心を鍛えることができるのか?我慢の延長には、あきらめ・無関心…があるのではないか?と、小さな脳味噌で悩んでみました。ということは「自分の必要なこと」は「我慢」という言葉では表現できていないことになりそうで…?…
「志は高いが腰は低い」これが今の私に必要なことの表現にはぴったりな気がして、それを意識して仕事をしています。それを続ければ、心が鍛えられるのだ、と。
そんなことを振りかえってみたら、そもそも「自分の必要なことは何か」を考え続ける事が大切なのだと気づきました。そのためには、一緒に語ることができる先輩や仲間が必要で、それに恵まれている今の環境に感謝しています。
人のご縁という恵みを独り占めせず、みなで分けあう為、今年もいろいろな形式の開かれた会をセットしていきたいと思います。