個の力・組織の力を活かす

どうすれば自分の職場で実践できるのか、その実践から積み上げられた知識や経験をどのように後任へ継承できるのか

頭の中を共有する

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「ほうれんそう」のタイミングがいまいちなスタッフがおりました。遅すぎる・ポイントがズレている…これは、彼だけに原因はないと思っています。私にとっての「いまいち」なので、上司が変わればよいのかもしれない。
私自身、上司が変わる度、はじめにやることは、頭の中を共有する作業=チューニング、です。雑談をして、決裁のタイミングをいろいろ試して、どのレベルの情報までを、どの鮮度で、どのような方法(メールなのか、口頭なのか)探ります。それと同じことをスタッフもやってくれたらいいのですが、そんな都合の良い職場などそんなにありません。
ならば、自分の思考回路なり好みなりを知ってもらおう、と考えています。前提として、職場の中の人間関係が良好であることですが…私自身がいまの仕事で悩んでいること、うまくいったこと、失敗例、決断の理由などなどを、雑談として日々話します。「そんなこと考え、仕事してんだ」…それをじっくり、じわじわやっていくと、やがて「あれってさー」が通じる職場になる。先日の大雪大混乱で、4時間遅刻で職場に到着しましたが、掲示、補講、雪かき、支援が必要な学生への個別連絡…想定される初動が、勝手に&上手に進んでいました。
ただの仲良し集団を目指すのではなく、プロ集団を目指すプロセスとして、仲良しになり、信頼関係を醸成し、頭の中を共有化していく。
冒頭のスタッフ、8ヶ月かかりましたが、最近の「ほうれんそう」はタイミング抜群です。次は、上司が変わってもやっていけるように、彼自身がチューニングできるように、
自分が先輩から教えてもらった技を伝授しなければなりません。仕事のやり方をお互い学べる職場…当たり前のようで、我が業界はまだまだ難しいです。

1+1が2にならない人

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この人のためなら…魅力ある人と仕事をすれば、関わった人数以上のパフォーマンスが期待できます。反対に、10人が関わったのに1人分の成果しか出ないこともあります。
例えば5名程度に依頼する調査もの…依頼のやり方で成果は大きく変わります。ただ電子ファイルを横流しする担当者に、作業手順や背景など回答側が協力しやすい工夫を惜しまない担当者。メールだけ送りつけるスタッフと、内線でポイントをフォローできるスタッフ。担当者によって、成果はだいぶ異なります。締め切りギリギリにしか返答が集まらなかったら、それは締め切りの設定以外に問題があるかもしれません。
せめて1+1で2程度の成果を出して欲しいのですが、成果やプロセスを評価する管理監督職が不在な組織では難しいようです。我が業界は、作業手順は教えるのですが、仕事のやり方を教えることが、あまり上手くないようです。仕事のやり方は、仕事の成果やプロセスを見守らなければ、ちゃんと教えることはできません。仕事を教える、教えてもらえる環境を意識して、職場づくりに励もうと思います。




不遇な職場と、腐りかけた僕と

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新規メインの職場に配属された場合と、ルーチンメインの職場の場合、同じ意欲・能力のスタッフであっても、取り組む仕事に対する評価のされ方・満足感の得やすさ等々が、その後の働き方に影響を与えるようです。
私は20歳代の頃、周りにどんどん追い越され、担当業務の難易度も新人と変わらず、気づいたら単純作業程度のスキルしか身についていないような腐りかけ状態でした(能力のない自分のせいなのですが)。この環境で評価される訳ないだろ、と、もがき苦しんでいました。30歳手間で遅咲きながら、本社異動があり、その後はスイスイ…。
この経験があるので、あれこれ理想論を聞いても、評価が平等、なんて思えません。むしろ、それを嫌なほど分かった上で、それなりに楽しく過ごせるようになったことが「強さ」だと思っています。
この不遇職場でどう過ごすか…。
20歳代の頃の単純作業…人の倍以上やらされたおかげで、仕事のスピード、精度には自信があります。非常勤さんと仲良くなれるのも、同じ仕事をやっていたからだと思います。いまとなっては、監督職として組織をマネジメントする基礎体力作りだったのだ、と思っています。が、そんな後日談、苦しんでいた時期にわかる訳がありません。
振り返れば、先輩が愚痴をいつも聞いてくれて、否定も肯定もされず、ただ視点を広げ〈特に、遊び〉てくれたおかげで、なんとか社会人続けてこれたと思います。今は、この先輩の役割を果たしたいと思い、出来るだけルーチンメインの職場のスタッフを引き上げるよう意識しています。組織内で勉強会を仕掛ける理由の一つでもあります。
そんな私、いまはルーチンメイン環境なので、業務は「無事終了」して当たり前、新しい事は新規メインの守備範囲、業務改善しても、新規ほど目立たない(´・_・`)。今は、この環境を楽しめることが自分の強みだと思い、あれこれやっています。行動していれば、飽きる暇なんて、なくなるだろう、と。
いまでも20歳代に違う配属だったらな、と思います。だからこそ、今は充実した時間を過ごすことに注力しています。未来は、まだ変えられるかもしれないので。



勉強会をセットする気持ち〔その二〕

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入職当時、困ったのは「風通しの悪さ」「経験値だけで仕事をする風土」でした。倉庫や資料の存在すら口伝で、閉ざされた人脈の中でのみ語られる組織(._.)極端に言えば、どれほど努力したとしても、どれだけ早い時期からその会社にいたか、ただこの一点で勝負が決まる閉鎖的な環境。
この環境、我が業界特有ではなく、子会社にありがちな病のようです。それらの改善事例をあれこれ学んで、理解ある親会社上司に相談した結果が、我が社でやっている勉強会をはじめとした自主的取組です。
経験年数ではなく意欲で、情報も人脈もスキルも得ることができる環境づくり、が目標で、そのためにあれこれ約6年やってきました。今では、活躍するスタッフの話をあれこれ聞きますので、環境は確実によくなっていると思います。
はじめた当初は、わざと聞こえるような陰口、中傷などなど散々ありました。ある参加したい職員が、先輩から「行くな」と言われている、と人つてに聞いた事もあります。その時に、この人が異動して参加できるようになるまで続けよう、という思いを強くしました。
今も、あれこれ言う人はいます。ただ、こればかりは、どんなに勉強会しようが人事制度を工夫しようがあまり変わらない気がしています。それよりも「置かれた状況が変化したら、いつか行きたい」そんな、いまはまだ出会えていないスタッフの思いに報いたいと思っています。仕事の醍醐味を、社内でちゃんと味わうことのできる、健全な組織になるまで、頑張ろうと思います。

勉強会をセットする気持ち〔その一〕

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『心を鍛えるということは、自分の必要なことを続ける努力をすること』…イチローの言葉です。ちゃんと理解できていないですが、好きな言葉です。
私にとっての「自分の必要なこと」とは何か?仕事の面では「我慢」です。いくつになっても、いまだに、口と手がでてしまいます(-_-)
すると、我慢を続ければ心を鍛えることができるのか?我慢の延長には、あきらめ・無関心…があるのではないか?と、小さな脳味噌で悩んでみました。ということは「自分の必要なこと」は「我慢」という言葉では表現できていないことになりそうで…?…
「志は高いが腰は低い」これが今の私に必要なことの表現にはぴったりな気がして、それを意識して仕事をしています。それを続ければ、心が鍛えられるのだ、と。
そんなことを振りかえってみたら、そもそも「自分の必要なことは何か」を考え続ける事が大切なのだと気づきました。そのためには、一緒に語ることができる先輩や仲間が必要で、それに恵まれている今の環境に感謝しています。
人のご縁という恵みを独り占めせず、みなで分けあう為、今年もいろいろな形式の開かれた会をセットしていきたいと思います。





大学院を目指した理由

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営利企業からの中途採用で、卒業校でもない。が、初職場が認証評価初受審に3つのポリシー担当に…改革の最前線に放り込まれました。
担当業務の本質を、知識も経験もない状態ながら自分なりに見極めようともがいたある日、「俺には愛校心があるのかな」という悩みに直面しました。
まず取り組んだことは、ある先生のゼミに半年入れてもらって、学生と一緒に勉強すること。理系出身の私は文系のゼミで、毎週の課題に苦労しながら、学生を経験してみました。学生と同じ立場で過ごした半年は、愛校心醸成には効果抜群で、それ以来、我が社を学生の為に盛り上げたい、と本気で思えるようになり、今日まで走り続けることができています。ちなみに、このゼミ参加は、上司の理解なくしては実現しなかったものであり、今でも良い上司に巡り会えたな、と思っています。
その後、親会社では管理職になる前のステップで、留学なり大学院で学ぶなど、強みを引き出す機会を設けている話を聞き、もう少し学生の立場を経験してみようとも考え、大学院で公共経済を学ぶことにしました〈当時、我が子会社には支援制度はなかったため、自腹で通いました〉。
社会の仕組みの一部として、自分の業界を考える視点・経済学というロジックの中で主張を積み上げる厳密さなどなど、2年間での経験は濃密で、仕事の基礎体力を鍛え上げることができました。思い出深かったこととして…仕事が終わった後に、24時から先生とスカイプでディスカッション、なんてことはざらで、教員の、学生への思い、学問への真摯な姿勢など感動することばかりでした。
年末年始になると、修論で苦しんだお正月を思い出します。そろそろまた鍛えなおさないといけないな、と思う今年の仕事納め。





他人の手柄を自分の手柄にしてしまう人

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に、ならないようにいつも気をつけています。が、力を貸してくださった方々を気づかないうちに傷つけてしまったことは過去何度もあり、反省しています。
昔、尊敬する先輩から、自分の手柄を人の手柄にしていれば、自然と周りを傷つけなくなるよ、と教えてくれました。が、このスキルはまだまだ身につくのに時間がかかりそうです。
部下、後輩を支える世代になったなら、周りを盛り立てるように黒子に徹する…のが理想なのでしょうが、我が業界は、自分でやってみせて引っ張ることが必要な職場・場面も多いのが事実です。
この悩み、未だに解決していませんが、今の私は、事項毎に役回りを使い分けてみることで、前に進もうとしています。社内勉強会も、完全黒子の集まりもあれば、先頭で引っ張る集まりもあります。最近、他社と勉強会をやったのですが、次は自分がやりたい、という声をいくつも受けました。あの「声をかけてくれたら手伝います」フレーズではなく「自分がやりたい」。いろいろな苦労が一気に吹き飛びました。
組織を持続させるには、後継者を育てる事。この当たり前を実現するためには、攻撃も守備もこなす必要がありそうです。走り回る体力をつけるべく、さあ忘年会です。