企画力と言う前に
こじれた案件を漠然と相談に来るスタッフ、文句が先行するスタッフ…「カタチにすることが苦手」という共通点があるように感じています。
こじれた案件については、時系列に・関係者と・主観と客観の区別をつけて、メモにしてから相談に来なさい。緊急なら、それが頭に思い描けるように説明しなさい。
漠然と不満があるのなら、コトの経緯と、関係者と、改善案くらいは、メモにして振りかえってみたらどうだろう。
普段、前年度の資料をいじる程度の方法でしか仕事をしない(させないと)と、白紙から自分の考えを表現できるようなスタッフは成長しません。上司がこのタイプだと、スタッフはもっと厄介になります。
私は、カンタンなことでも、カタチにするように仕事を振っています。異動したてのスタッフは、これが苦手なタイプが多いので、半分書いてから任せる、など、離乳食のような段階でステップアップして、慣れてもらいます。表の作り方など、スタッフそれぞれの個性が出てくると、よしよし、と。
担当業務をカタチにすることは、いわゆる妄想をカタチにすることよりも、はるかに難易度は高く、ストレスがかかります。職場で信用されていなければ、カタチにすることが難しい案件はたくさんあります。
現場で本当に必要な企画力が、この程度の仕事のやり方で身につくとは思いませんが、せめて、担当業務で、この程度が出来てから、企画力に悩んで欲しい、と。
やはり、仕事の振り方が能力開発には重要で、これを避けていては、自己満足だけの能力開発になりがちだと思っています。私も自己満足だけの能力開発にならないよう、気をつけようと思います。
時間を色付けする
わが組織では毎朝朝礼をやっています。「やった方がいいのはわかっているけれど、何もない日はどうすればよいかわからない」という質問をたまにいただきます。いくつかのアイデアの中で、一日の使い方をあれこれ皆でコメントしあうことは、効果が高いと実感しています。
例えば、会議の時間が休み時間に重なっていた場合、学生や先生からのオーダーを誰が代わりに受けるのか…まさか「担当者がいないから適当な時間にまた来てね、はやらないよね」と。「午後は伝票確認」とコメントした場合、それは今日の午後に、一人で半日かけてすることなのか?誰がと一緒にやった方がミスは減るのではないか?
一人一人の仕事のやり方を改善することが主目的ですが、それをダイレクトにやると嫌な感情を抱くスタッフもいますから、皆でフォローしあうため、という、もう一つの目的を全面に出して、1日のスケジュールをコメントしあうと、嫌な思いもせず、自然に協力し合い、やがて、仕事のやり方が改善する。
時間はかかりますが、仕事を主体的に・楽しめるスタッフの育成には、(私含め)仕事のやり方そのものの改善は不可欠ですので、地道にやろうと思います。