個の力・組織の力を活かす

どうすれば自分の職場で実践できるのか、その実践から積み上げられた知識や経験をどのように後任へ継承できるのか

職員としてのこだわりがあまりない

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私のこだわりは「一体感(もしくは、巻き込み)」です。反対意見を封じ込めるやり方ではなく、構成員の納得感と効率のバランスを踏まえながら、できる限り同じベクトルにそれぞれが主体的に向く工夫や努力は惜しまないようにしています。
ある日、会議で意見が活発に出るように、座席の配置を工夫したり、次第や資料を昨年度から変えてみたりしていました。
それをなんとなく手伝い、わざと「しゃんしゃん会議にしない」やり方を不思議に眺めていたスタッフに、「これが、自分の職員としてのこだわりなんだよね」と声をかけたら、さらに??キョトン??となりました。その後、ちゃんと説明しましたが、腑に落ちている様子もなく、こだわりトークで盛り上がることもありませんでした。
なぜ職員になったのか…この程度は採用面接用に用意したことはあると思いますが、それを日常業務に落としこむ経験がないスタッフが多いように感じます。
周りの・過去のやり方を調べ、効率よく担当業務をこなす…ここまでは、だいたいの上司や先輩は教えます。これ以上に大切な事を伝えるためには、相当濃密で、そして、時間をかけた付き合い方が必要です。私の場合、酒を媒介にしたご指導のおかげで、比較的短期間に注入していただけましたが、呑みにケーションが難しい環境ではそれも叶わず…。
いきなり説教じみた話をしても効果はないので、掲示の張り替え、資料綴込みなど、単純作業に加わって、雑談の中で「各人のこだわり」を顕在化し、引き出すように心がけています。「なんで、このサイズの掲示にしたの?」からはじまる、こだわり醸成OJT
こだわりが間違った方向に作用してしまうのも考えものですが、なんとなく職員になってしまったスタッフに闘魂を注入する地道な仕事を疎かにしないように頑張りたいと思います。



仲良しだけでは仕事にならない

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風通しの良い職場を目指した悪い結果として、指導しない上司とサークル感覚の部下だけの困った組織になってしまうケースをたまに見かけます。
職場の潤滑油には雑談も冗談も必要です。ただ、それに夢中で電話対応が遅れたり、雑務を引き取ってくれた同僚への感謝を怠ってしまう職場になってしまうと、事務ミスは増え、次第に自己改善できない組織になってしまいます。この「風通しの良さ」と「緊張感」のバランスは非常に難しく、同じ組織でも日々変化するものです。
窓口、電話、挨拶が「適当に流し」つつあった空気をピリッとしたく、久々に朝礼で緊張感ある話をしました。その日の午前中は、ほぼ雑談ゼロの不穏な空気でしたが、夕方にはオンオフの切り替えを意識した賑やかな職場に戻っていました。
朝礼でわざわざやるか悩みましたし、午前中の空気は正直不安でした。仕事に対するマインドもバラバラなため、やる気を失うかもしれない。嫌われるかもしれない…
「信頼関係は、妥協のコミュニケーションからは生まれない」…先輩に教えて頂いたことです。ただの仲良しを目指すのか、信頼関係を目指すのか…後者を志向する私は、人からお金を頂いて働く者としての最低ラインに妥協せず、今の立場として求められる役割から逃げないよいにしたいと思います。
とはいえ「嫌われたくないからって、ズルいな〜」と感じてしまう幼い自分もいまだ健在ですが~_~;

返事のタイミング

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仕事の時間のうち、メールの返信にどれだけの時間を割いているのか…10年前に比べ、立場の変化も影響していますが、確実にメールソフトと向き合っている時間は増加しています。そのため、直接会って話すことの効果が絶大な場面も増えているように感じます。
私は、出勤後一通り流し読みして分類し、急ぎ以外は、集中力が落ちた時に読む…などの方法で、なるべくメールソフトから距離を置くようにしていますが、返信のタイミングは意識しています。
「その日に返事の難しい内容のメールをどうするか」…これはタイプが分かれるようです。私は「受信した事は開封した日にかえし、時間あけて返事することを伝える派」です。だからといって、返事の遅い相手を否定するつもりもありません。いろいろなタイプがいるので、それぞれでよいと思っています。
ただ、組織のリーダーのような、忙しいくて、判断すべき事が多くて、困った時に助けてくれて…のような方には、早いレスポンスが相手の為に良いだけでなく、結果、自分にもかえってくることを、たくさん経験してきたため、部下や後輩には、早いレスポンスをなるべく勧めています。
「自分はチャンスに恵まれない」と嘆くスタッフには、「返事の遅い人に、他人が頼ろうなんて思うか?情報を共有しようと思うか?」と聞きます。それだけではないと思いますが、返事のタイミングを心がける事で、信頼は増すハズです。
という私も、なんでもメール、との向き合い方に悩み、返事に苦しんでいる職員の一人です。掲示板機能などを有効に活用できる職場にできたらな…と思いつつ、明日もメールソフトの奴隷にならないように注意しながら、向き合おうと思います。



理解には個人差・時間差がある

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話の半分程度で機嫌が悪くなる、数日経過して話を振り出しに戻される…話の内容によって理解には個人差があり、個人の中でも、理解に必要な時間が一定であることはなく、体調含め外的要因で時間差があるものです。
そう考えると電子メールでの依頼は、使い方には注意が必要だと考えますが、中学生の頃から携帯でメールのやり取りをしてきた世代と、彼女の自宅に電話をかけてお父さんが最初に出ないかドキドキしていた世代とは、この手の話題が共有できない場面が増えてきたように感じています。メールで一方的に送りつける前に、先に会って雑談しておけば良かったのに…が、通じない世界。
私の場合、時代の変化だと思って、この手の違和感について、すぐに口にする前に自分の中に一度しまっておく場面が増えてきました。が、時代の変化とは別の次元で大切なことは、時間を割いて伝えるようにしています。
「人は同じ話でも、その情報の入り方(いつ、誰から、どの程度…)で、感情に変化があり、仕事の成果にも影響がある」という事実。これを「相手の性格の良い悪い」の問題だけで片付けてしまっては、組織の力を引き出して仕事をすることは難しいと思っています。策士になることを求めているわけではないですが、メールでのやり取りがメインになりつつある今日の一番大切なojtのテーマだと考えています。これにも、個人差、時間差はありますので、焦らず、諦めず、じっくりと、ですね。


仕事の任され方

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自分がやった方が早いから任されるパターンと、将来性を見込んで「未経験でも」あえて任せてもらえるパターン…任され方で、業務の成果、仕事から得られるものは異なるようです。
監督職となり、仕事を任せる立場になってみると…円滑に仕事を進めるため、スタッフの経験や性格などを踏まえて任せるしか選択肢がない局面がほとんどで、人材育成の視点で任せることの難しさを痛感しています。「適材適所」で盤石の態勢を整えるか、「人材育成」という視点で、「あえて任せる」チャレンジをするか…多様な(世代、能力、環境…)スタッフで構成される現場の場合、業務の遅滞や失敗が与える組織への影響の大きさを考えると、「あえて任せる」ことは簡単ではありません。
そんな現場にいる今の私は、主担当と副担当の組み合わせを戦略的に考えて、出来る限りチャレンジ配置を検討するようにしています。当然、覚悟は必要ですので、スタッフとは個別にじっくり話をします。
この4月を振り返ると、いくつか地味にコケて、休みが休めないことがありました。人材育成を選択したために仕事を増やしてしまった訳ですが、実りある年度末を迎えるためには必要な苦労だと思っています。
コケたスタッフから「◯◯な性格を変えるつもりでやらないと…」と反省コメントが出てきたので、私は「そのままでいい。□□さんらしいやり方を見つけることで、この業務が改善すると考えているから任せている」ような話をしました。すると電話の声が大きくなり、自信を持って業務に取り組むようになりました。改善策の提案もあり、秋が楽しみです。
仕事は任せ方でとても有効な人材育成の手段になる訳ですが…この手段の選択は容易ではありません。「仕事を任せたら最後まで付き合う」ことが先輩・上司の役割な訳ですが、チャレンジ配置をする場合、相当な覚悟が必要です。私の場合、この覚悟ができたのは、家族・友人・同僚の支えがあったからこそです。だからこそ、私も「誰かの覚悟」の支えになれるよう、こちらから声かけをするなど、つながりを大切にしていきたいと思います。





面倒クサイなりに理由がある

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何故こんな面倒な手続きが必要なのか、それぞれの部署に依頼しなければならないのは無駄だ…組織の規模によりますが、我々の業界は縦割りになりやすく、それだけ面倒な仕組みも生まれやすい環境にあります。
業務改善を志向する際、現在のカタチを否定することからはじめるのと、何故このカタチになったのかを注意深く観察することは、その後の仕上がりに大きく影響するようです。カタチが組織文化を形成する要因の一つですから、上手く進めば良いのですが、組織文化の読みを誤って失敗した場合は…
これまでの経緯は、過去資料の読み込みに加え、過去経験者や大先輩の皆様との雑談から得られる情報で、さらに深く観察することができます。『業務改善』という旗を振り回して〔=理屈だけで攻める〕、先輩方と壁を自分で作ってしまうのではなく、先輩方とのコミュニケーションを大切にして「しょうがねーなー」と笑いながら助けてもらえる環境を整えられる能力が重要だと思います。
そのため、いくら社外研修をたくさん経験したとしても、「同世代の集まりでしか楽しめない」ようなスタッフにならないように、育成では心がけています。若手には「若手カテゴリーに分類されるなよ」と冗談で話しています。仕事は幅広い年齢層で進めるものなので、幅広い年齢層と楽しめる社会人であるよう心がけたいと思います。






ひとりの時間と組織での時間はリンクしている

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仕事が充実していれば、オフも楽しい。オフが充実すれば、仕事の時間も前向きに過ごせる…家族と自分の関係が何らか変化していくと、オフの時間さえ自分でコントロールすることが難しくなり「思い通りにならない」という悩みを抱く人は多いようです…私も悩んでいます。時間外のSDなど、行く気すらなくなるほど、自分側のマイナスパワーに引っ張られることは度々あります。これは仕方がない事で、うまく付き合うしかないのだ、と割り切っています。
やりがいのある仕事ばかりやることで「充実が充実をうむ」よい循環ができればいいのですが、仕事は選べませんので現実は難しいです。無論、オフ側のアプローチはもっと難しい。
せめて、職場にいる時間が充実していれば、よい循環のきっかけ程度にはなると考えています。面倒な仕事を避けるのではなく、皆で協力して解決する…課題をスタッフ全員で共有して意見を出し合うなど、チームで仕事をすると満足度は高まるそうです。
担当業務は単調でつまらないけれど、職場で過ごしている時間は充実している…そのためには、課題の共有と、意見を建設的に出し合える環境づくりが重要です。その手法はたくさんありますが、何が正解なのかはやってみなければ分からないので、気長にあれこれ試していくしかありません。仕事が「前向きに」楽しい、と皆が感じる職場風土の醸成は、一人ではできないので仲間を作ることから、はじめると上手くいくようです。
4月からの職場・メンバーと、4月からの職場風土を楽しみながら構築したいと思います。