個の力・組織の力を活かす

どうすれば自分の職場で実践できるのか、その実践から積み上げられた知識や経験をどのように後任へ継承できるのか

顔が見える仕事

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同期の名前を、◎◎計画や基本方針と言った資料の担当者として見ることが増えたスタッフが、「私の仕事は、○○さんと○○先生と…だいたい30名位にしか影響しないんですよねー」とつぶやきました。全体に影響を与えている(と、見える)仕事に比べ、自分の仕事は、かなり地味だ、と思っているようでした。

ある日、サポートの必要な学生が無事に進級できた、と窓口へ報告にやってきました。同期の活躍(と、見える)に悩むスタッフが言う○○さんのうちの一人です。
学生は、このスタッフの眼差しの優しさに何度も救われたと言い、おかげで、学内での嫌な事も我慢できたそうです。
この学生は、自分の過去の辛い経験を活かした事業を考えていて、新聞の地方欄にも掲載されるような活躍ぶりです。
同期の活躍に悩んでいるこのスタッフの仕事が、○○さんの活躍につながり、結果、たくさんの人の幸福に寄与する、と考えれば、君は社会全体に影響を与える仕事をしているのでは?と話しました。
「顔が見える仕事」とは、担当者の心構え次第で無限の可能性を秘めています。そもそも優秀だったから資料の担当者欄に名前が出てくるような仕事ができたのではなく、たまたま担当業務がそれだっただけなので、お互いに勘違いしないようにしなければなりません。
確かに能力は異動の重要な判断材料です。しかし、能力だけで配置を決められるほど、人事は単純じゃありません。タイミングの方が、より重要な要素になる時期もあります。どうせ、いつかは資料の担当者欄に名前が出てくるようになる。その時に、目の前の顔すらまともに見ることができない方が困るのだから、今は自信を持って「顔の見える仕事」にがむしゃらになるように伝えました。
さて、自分の今の仕事は、固有名詞が想像できるだろうか。
贔屓はいけない、けれど自分以外の顔が見えない仕事にはしないよう、気をつけようと思います。