個の力・組織の力を活かす

どうすれば自分の職場で実践できるのか、その実践から積み上げられた知識や経験をどのように後任へ継承できるのか

手を抜かないと決めた大失敗

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大学では4年間学習塾のアルバイトをしていました(今は○ラックバイトの代名詞ですが…)。チェーン店新規オープンのタイミングで雇用されたため、実力がある訳でもなく、いきなり受験学年を担当しました。
本来ならば学力別に3クラス分けるべきシステムながら、最上位該当生が1人のため、中位クラスに入ってもらい、別途補講する方法で授業を担当しました。
彼の第一志望は早稲田の付属で、結果は全滅…別の大学付属へ進学しました。
講師1年目の私なりに、あれこれ工夫をして、指導法を勉強して…でも全滅。第一志望の合格発表を一人見に行き、不合格という現実を突きつけられ、その帰り道に本人と偶然出会いました。彼は笑って「先生に教えてもらってよかったです」と、言ってくれましたが…約20年前の2月の出来事です。
私に習わなければ、塾の都合で合同クラスにしなければ…制度のせいにした時期もあり、自分の実力不足を反省し続け、自信をなくした時期もあり…。
彼は私に出会わなければ、異なる人生だったのかもしれない…すべて「たら・れば」の世界ですが、仕事の厳しさを知りました。
そんなことがあり、どんな些細な仕事でも手を抜かないようになりました。窓口の些細な対応でも、定型の手続でも、そのやりとりがきっかけで、人生が変わってしまいかもしれない。もっといい説明の仕方、様式があるかもしれない。
ちなみに、最近採用された非常勤講師の先生の一人に、私が塾で数学を教えた元生徒さんがいました。向こうから声をかけられて「先生ですよね」と。よく聞くと、確率の授業がターニングポイントだったようで、博士後期まで情報科学を学んでいるとのこと。1年目の失敗で学んだことは、無駄でなかったようです。
個人の努力をうれしい成果につなげることも、台無しにしてしまうのも、周りの関与・心がけが少なからず影響するようです。
スタッフに、後輩に「努力」を期待するのなら、自分自信の努力不足が悪影響を及ぼすことがないよう、些細なことも手を抜かないようにしたいと思います。