個の力・組織の力を活かす

どうすれば自分の職場で実践できるのか、その実践から積み上げられた知識や経験をどのように後任へ継承できるのか

マイルールは押し付けない

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自分が「うーん」と思う部下や後輩の特徴には、共通点があるようです。例えば、ホウ・レン・ソウのタイミングが合う・合わないは、自分の中にある「仕事のマイルール」が影響しています。

この「仕事のマイルール」を、部下や後輩の全員が理解し、実行してくれたら、こんなに楽な事はない…はずがありません。
上司・先輩である我々にもミスはあり、弱点はあります。それを補うのは、自分とは違うマイルールを持っているスタッフだったりします。自分とは違う視点で動いてくれるからこそ実は助かっていることは、見えにくいだけで職場に溢れているものです。そう考えれば、自分との違いも、楽しめるようになります。
ただ、組織には文化があります。例えば、挨拶する・しない、は、した方がよいはずです。この「ゆるい仕事のルール」が、組織の中で共有できていれば、指導はしやすいです。
この共有には、自分の考えを自由に言える環境が必要です。みんなの前で言うことが苦手なスタッフもいますので、毎朝の朝会だけでなく、一対一の雑談の機会も頻繁に設けるようにしています。全体と個別のコミュニケーションの組み合わせで、ゆるい仕事のルールは、組織の中で醸成されます。
一番よいのは、スタッフが自然に、ゆるい仕事のルール、を作り上げる職場。そのためには、自分の仕事のルールは、あまり押し付けないように、気をつけたいと思います。

事件事故・事務ミス対応の心がけ

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事件事故・事務ミスが起きた時、担当者の心理的な負担をできるだけ軽減させてあげたいと考えて行動しています。

例えば、事故発生源側の対応は担当者、関係部署への報告や調整は別のスタッフを指名。報告書も、二人以上で分筆させるなど。係全員で対応することで、一人で抱え込まない支援体制を構築します。時短のスタッフには、直接事故対応させるのではなく、別のスタッフの本来業務を代行させたりすることで、係全員でやっている雰囲気を醸成します。
これをやるためには、当然普段から、上司と部下の信頼関係、副担当制を機能させて…などなどのチーム作りが必要です。そして、事件でチームはより成長する。日常と非日常の繰り返しで、今だけしか味わえない最高のチームを作り上げる。つまり、危機管理の第一歩は、日常の組織作り。
事件事故は組織作りに有効になり得るわけですが、未然に防ぎたいですし、繰り返してはいけません。
対策の視点は、個人の能力に期待するのではなく、仕組みの改善を重視したいです。再発防止策は、メンバーが異動しても、機能するようにしなければなりません。
そう考えると、事件事故・事務ミスは、成長の絶好のタイミング。どうせ面倒なのだから、よい思い出にしてやろう、という気持ちで、「みんなで」乗り切りたいと思います。

知識や情報を努力しないで得ようとする

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同じ質問でも、気心知れた関係と名刺交換しただけの関係では、出てくる回答の質・量は違うものです。しかし、我が業界は助け合い精神が溢れている?ため、メールを送れば何でも教えてもらえると勘違いしやすく、よりよい情報を得るための努力を怠る方がいます。
だからと言って、質問を受ける人の範囲を限定したり門前払いするつもりはなく、受けた質問や相談には出来る限り回答しています。自分の勉強になりますし、その方の仕事の先にいる学生や先生のお役にも立てるからです。
それでも一つだけお願いしたいのは、質問するなりに、少しは自分で調べたり、考えたりはしてほしい。「わからないのでゼロから教えてくれ」は、大学でお給料もらっている人がやってはいけないと思います。当然、勉強の方法・調べ方の相談には、じっくりお付き合いさせて頂きます。
この、社会人としての当たり前の作法は、着任したスタッフの初期の指導で身につけさせたいです。何も考えないで人に質問を送るスタッフは、何も考えないで担当業務をこなすので事務ミスを起こしやすい。仕事を教える時期に「調べさせる」「考えさせる」を丁寧に反復します。すると「知識や情報を得るとはどれだけの価値があるか」がわかり、そのための努力をスマートにできるようになります。

すぐには解決しない事を客観的に考えさせる

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職場で文句ばかり言うスタッフ…印刷室に紙が散乱しているが、なぜあの係・人は片付けないのか…問題点を言うだけで、自分は何もしません。そのうち、自分の思い通りにならないと、他人を攻撃するようになる。

様々な雇用形態が混在する現場では、このような「SD以前」の問題を抱えることがあります。
悪化してしまった人をどうするか、特効薬はないと思います。ただ、できるだけ「そうならないように」予防する、ことは、いろいろ対策があるようです。

私の対策は、スタッフに「自分の思い通りにいかないこと」「自分の判断基準が絶対ではないこと」を仕事を通じて気づいてもらうようにしています。
まずは、気になることを気軽にチームの中でいいやすい環境を作る。例えば、朝会や定例のチーム会で雑然を広げます。それをチームの課題として表にまとめ可視化し、解決の方法をチームで考えさせる。すると、チームには様々な課題があり、マンパワーは有限で、優先順位やタイミングの重要性に気づく。
また、日常のやりとりで、全体と部分(自分の主張)の関係を明確にして話すように指導することも有効です。

判断基準が偏ると、仕事のミスが増え、成果も期待できません。考えが凝り固まらないように、職場で「考える機会」を提供していくことが必要です。

マイナスをゼロにする仕事の満足感

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計画を立案する、新規事業を担当する、人前でプレゼンする…その裏で、他人がやらかしたどうしようもない事件事故を片付けて、崩壊しかけの組織が放置した仕事を肩代わりし、新規事業を進めるために既存事業をひっそりとたたむ…表に出ることが望まれない、裏方に徹する仕事もあります。

この裏方仕事で満足感を得る…尊敬する大先輩から「4負けて6勝てばよし」というキーワードを教えてもらいました。
折衝相手をコテンパンにするのではなく、相手に負けたと思わせないこと。自分の手柄にはせず、周りにも花を持たせること。自分の定規で勝ち負けを判断するのではなく、組織としての結果にこだわれ、などなど。そんな仕事の先に、利害関係ではなく信頼関係でつながる仲間が増える。それがマイナスをゼロにする仕事でしか味わえない満足感だよ、と。
マイナス仕事は100点が難しい。極論を言えば、60点でも70点でも解決さえすればよい。成果で満足感を得ることが難しいからこそ、プロセスから得る満足感を大切にする。
仕事を選べない立場だからこそ、それぞれの職場で求められた役割で、そこでしか味わえない満足感を大切にする職員になりたいと思います。

解決策の提示は効果的に

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担当業務の範囲の問い合わせにも関わらず、わからないとすぐに「私の担当ではありません」と突っぱねてしまうスタッフがいました。少しでもわからないことがあると、本能的に発してしまう。それを、事務室の中で繰り返すうちに周りとギクシャクし…
数ヶ月、主任さんに教育役を任せてみました。「今はわからなくても、とりあえず話を聴くだけでも相手の印象はいいよ」「後で確認して折り返します、と言ってみたら」…自分の成長経験を踏まえて、あの手この手。でも、変わらない。
私がこのスタッフに、雑談から、最近突っぱねた話を引き出して、自分の想いを語ってもらいました。どうやら、引き継ぎ(退職補充のため、付箋メモ程度の引き継ぎのみ)を満足にしてもらえなかったことが不満である。仕事を失敗するたびに、自分が悪いのか、引き継ぎが雑な前任者が悪いのか、頭の中でグルグルしているうちに、何もかもが怖くなった、とのことでした。
そのコメントについて諭すことはせず…知らないことを相手から言われるのは、上司である自分も未だに不安でいっぱいだから、
○聞いたあとにメモを残す(前職では、承り書、と言っていた)
○場合によっては、相手にメモをみせて、要件が正しく把握できたか確認
○自分で解決出来ないことは、上司である私に相談する。無論、(今まで同様に)あなたに丸投げなどしないから安心してほしい
○それを蓄積しておけば、引き継ぎに使えるよ

と、紙を使うだけで、自分一人で質問を聞いている感覚が薄れるよ、なんて話しました。
当然、これは気分の問題であり、簡単な暗示をかけたことになります。
最近は、QAを自主的に作るなど、自信を持って不明点と向き合うようになりました。

解決策を提示する前に、話をよく聞くこと。そこから、解決策を考えてみる。そんなことを、主任さんも学んでくれました。

マイナスをゼロに、プラスに

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新しい何かがはじまると、その裏で、誰にも知られる事もなく、面倒を見ている人がいます。

最近流行りの地域連携にて、本店主導の事業に対して、住民の方々から、窓口へクレームがありました。窓口部署には、そんな事業があったことは知らされず、何があったのかよくわからないまま、クレームを約1時間聞き続けるのみ。その後、断片的な情報をつなぎ合わせて、ようやく事業の全体像がつかめました。
クレームの内容を総括すると「地域をわかっていない。勝手なことするな」と。コミュニケーション不足が理由のような気もしますが、何があったのかわからないため、これ以上のことはわからず…
こんなことはよくあり、こうして、現場にたまたま配属されたスタッフの士気は下がり続けます。
当然、そんな負の面ばかりを気にしていては、何もはじめることはできません。だからこそ、負の面を背負ってくれているスタッフに、寄り添うことを忘れないようにしたいと思います。
我が業界は「マイナスをゼロにする仕事」に、もう少し光を当ててもよいと思います。
そのためには、負の面を背負っている部署が、「彼ら」の代わりに背負っているリスクを可視化し、それを組織全体の戦略の中で、どのように位置づけてリスクを語るか。毎日、文句を言いながら窓口対応するのはやめよう。マイナス請負部署の監督職として、「課題を可視化する技術」「戦略の中で語るための知識」「リスクをチャンスに変える視点」を、窓口部署のスタッフにこそ、しっかり伝え、実践の場を提供していきたいと思います。