個の力・組織の力を活かす

どうすれば自分の職場で実践できるのか、その実践から積み上げられた知識や経験をどのように後任へ継承できるのか

すぐには解決しない事を客観的に考えさせる

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職場で文句ばかり言うスタッフ…印刷室に紙が散乱しているが、なぜあの係・人は片付けないのか…問題点を言うだけで、自分は何もしません。そのうち、自分の思い通りにならないと、他人を攻撃するようになる。

様々な雇用形態が混在する現場では、このような「SD以前」の問題を抱えることがあります。
悪化してしまった人をどうするか、特効薬はないと思います。ただ、できるだけ「そうならないように」予防する、ことは、いろいろ対策があるようです。

私の対策は、スタッフに「自分の思い通りにいかないこと」「自分の判断基準が絶対ではないこと」を仕事を通じて気づいてもらうようにしています。
まずは、気になることを気軽にチームの中でいいやすい環境を作る。例えば、朝会や定例のチーム会で雑然を広げます。それをチームの課題として表にまとめ可視化し、解決の方法をチームで考えさせる。すると、チームには様々な課題があり、マンパワーは有限で、優先順位やタイミングの重要性に気づく。
また、日常のやりとりで、全体と部分(自分の主張)の関係を明確にして話すように指導することも有効です。

判断基準が偏ると、仕事のミスが増え、成果も期待できません。考えが凝り固まらないように、職場で「考える機会」を提供していくことが必要です。

マイナスをゼロにする仕事の満足感

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計画を立案する、新規事業を担当する、人前でプレゼンする…その裏で、他人がやらかしたどうしようもない事件事故を片付けて、崩壊しかけの組織が放置した仕事を肩代わりし、新規事業を進めるために既存事業をひっそりとたたむ…表に出ることが望まれない、裏方に徹する仕事もあります。

この裏方仕事で満足感を得る…尊敬する大先輩から「4負けて6勝てばよし」というキーワードを教えてもらいました。
折衝相手をコテンパンにするのではなく、相手に負けたと思わせないこと。自分の手柄にはせず、周りにも花を持たせること。自分の定規で勝ち負けを判断するのではなく、組織としての結果にこだわれ、などなど。そんな仕事の先に、利害関係ではなく信頼関係でつながる仲間が増える。それがマイナスをゼロにする仕事でしか味わえない満足感だよ、と。
マイナス仕事は100点が難しい。極論を言えば、60点でも70点でも解決さえすればよい。成果で満足感を得ることが難しいからこそ、プロセスから得る満足感を大切にする。
仕事を選べない立場だからこそ、それぞれの職場で求められた役割で、そこでしか味わえない満足感を大切にする職員になりたいと思います。

解決策の提示は効果的に

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担当業務の範囲の問い合わせにも関わらず、わからないとすぐに「私の担当ではありません」と突っぱねてしまうスタッフがいました。少しでもわからないことがあると、本能的に発してしまう。それを、事務室の中で繰り返すうちに周りとギクシャクし…
数ヶ月、主任さんに教育役を任せてみました。「今はわからなくても、とりあえず話を聴くだけでも相手の印象はいいよ」「後で確認して折り返します、と言ってみたら」…自分の成長経験を踏まえて、あの手この手。でも、変わらない。
私がこのスタッフに、雑談から、最近突っぱねた話を引き出して、自分の想いを語ってもらいました。どうやら、引き継ぎ(退職補充のため、付箋メモ程度の引き継ぎのみ)を満足にしてもらえなかったことが不満である。仕事を失敗するたびに、自分が悪いのか、引き継ぎが雑な前任者が悪いのか、頭の中でグルグルしているうちに、何もかもが怖くなった、とのことでした。
そのコメントについて諭すことはせず…知らないことを相手から言われるのは、上司である自分も未だに不安でいっぱいだから、
○聞いたあとにメモを残す(前職では、承り書、と言っていた)
○場合によっては、相手にメモをみせて、要件が正しく把握できたか確認
○自分で解決出来ないことは、上司である私に相談する。無論、(今まで同様に)あなたに丸投げなどしないから安心してほしい
○それを蓄積しておけば、引き継ぎに使えるよ

と、紙を使うだけで、自分一人で質問を聞いている感覚が薄れるよ、なんて話しました。
当然、これは気分の問題であり、簡単な暗示をかけたことになります。
最近は、QAを自主的に作るなど、自信を持って不明点と向き合うようになりました。

解決策を提示する前に、話をよく聞くこと。そこから、解決策を考えてみる。そんなことを、主任さんも学んでくれました。

マイナスをゼロに、プラスに

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新しい何かがはじまると、その裏で、誰にも知られる事もなく、面倒を見ている人がいます。

最近流行りの地域連携にて、本店主導の事業に対して、住民の方々から、窓口へクレームがありました。窓口部署には、そんな事業があったことは知らされず、何があったのかよくわからないまま、クレームを約1時間聞き続けるのみ。その後、断片的な情報をつなぎ合わせて、ようやく事業の全体像がつかめました。
クレームの内容を総括すると「地域をわかっていない。勝手なことするな」と。コミュニケーション不足が理由のような気もしますが、何があったのかわからないため、これ以上のことはわからず…
こんなことはよくあり、こうして、現場にたまたま配属されたスタッフの士気は下がり続けます。
当然、そんな負の面ばかりを気にしていては、何もはじめることはできません。だからこそ、負の面を背負ってくれているスタッフに、寄り添うことを忘れないようにしたいと思います。
我が業界は「マイナスをゼロにする仕事」に、もう少し光を当ててもよいと思います。
そのためには、負の面を背負っている部署が、「彼ら」の代わりに背負っているリスクを可視化し、それを組織全体の戦略の中で、どのように位置づけてリスクを語るか。毎日、文句を言いながら窓口対応するのはやめよう。マイナス請負部署の監督職として、「課題を可視化する技術」「戦略の中で語るための知識」「リスクをチャンスに変える視点」を、窓口部署のスタッフにこそ、しっかり伝え、実践の場を提供していきたいと思います。

 

人のよさだけに頼る組織には、何も残らない

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部署と部署のスキマに落ちる仕事…たくさんあります。「昔、いい人がいて、何故かわからないけれども、この仕事は、この部署でやっている」という不幸も、たくさんあります。

何処が扱うべきかわからない仕事…例えば、ダイバーシティ推進など、理念を周知する段階の仕事から、具体的な事業をいくつも抱える仕事になりました。にもかかわらず、昔いた「いい人」のおかげで、本来やるべき部署は無関心で、「いい人」が異動したあとも「とりあえず」扱っている部署も負担感が増すばかり。それを目の当たりにした若手は、「広い視野で」仕事をすることをデメリットに感じるようになり、彼らの能力は、例えば学外のみで使うのようになってしまう…
部署間の仕事のリバランスは、相当な体力が必要で、消耗戦で何の成果も残らないこともあります。だからと言って、5年前から、仕事が何も変わっていない部署の存在意義を疑わない状況を放置することも問題です。
解決策の一つとして、「新しい仕事を引き受けるのであれば、やめることも同時に決める」…これができたらよい訳ですが、「やめる」ことが苦手なスタッフが多いように感じます。他の業界では「やめたこと」を立派に成果として広く共有されますが、我が業界は「新しいこと」ばかりを褒め称えます。「新しいこと」と「やめたこと」の関係を説明していない事例を聞くと、「組織として、幸せだったのかなー」「成功事例の裏で、辛い気持ちのスタッフもたくさんいるんだろうなー」と感じています。
「やめること」…先生や学生に関わる事となると、より難易度が高まりますが、新しいことをはじめるタイミングは、多少は難易度が下がります。当然、事務室都合優先の廃止はよくありません。それこそ「広い視野」で考えるべきことです。
私は、新しいことを沢山やる方だと思いますが、かなりの事務も同時にやめました。ただの「いい人」ではないように、心がけています。
組織には、何を言ったって「見ないフリ」をする監督職はいます。スキマを拾うことで、結果的に得をしている(例えば、無駄仕事の廃止をセットにする。新規事業で達成感を味わう)経験をスタッフにもしてもらい、「魅力ある監督職」を目指してもらいたいと思います。

腑に落ちる機会を散りばめる

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挨拶ができる職場、我が業界はまだまだ少ないと思います。見たことのない人を見たら「見ないふり」をするタイプが多く、来客のタイミングでも、おしゃべりをやめない…。

4月からの職場でも「挨拶」をわざわざ組織目標に掲げていますが、はじめの2か月間はあまり言わないようにしてきました。
まずは、毎朝打ち合わせができること、そして、私が居なくても勝手に全員で打ち合わせができること。ここまでは、できるようになりました。そして今月は、打ち合わせのタイミングで「おはようございます^_^」を、大きめにしています。みな、ちゃんと声が出ていますし、初めて見る人を「迎える」動作ができるようになってきました。
挨拶は、実は難しいと思っています。当たり前の事だと思っていながら、自分のものとして、自然に発せるようになるのは、時間がかかるものです。
そのため、挨拶は3ヶ月目のテーマとしています。決して、挨拶を強制していません。ただ、私は少し大きめに発しているだけです。2ヶ月の打ち合わせで、チームで働く意味を、自ら理解し行動しているのだろう、と思います。
組織運営は「腑に落とさせること」ではなく「腑に落ちる機会を散りばめること」。すぐに出来るように育てるのではなく、自発的に出来るように、じっくり育てたいと思います。

「確認したか」を改めて確認する

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あるスタッフからの報告の最後に、昨年のだいたいの数字を聞いてみました。私の肌感覚と合わなかったので、実数を調べさせたら、そもそも桁が違いました。「先生が言っていた」という話を、具体的に誰がいつどこで、と聞くと曖昧だったので、改めて問い直すと、実は担当者の思い込みだった…
ミスが多かったり、進行管理ができなかったり…気になるスタッフには、「本人の思い込み」がないか、粘り強く確認するようにしています。この「都合の良い思い込み」を治さない限り、どんなテクニックを教えても、仕事は改善されません。主観と客観を分けて頭にインプットし、報告すること。特に数字には誠実であること。この当たり前が、意外とできないのです。

このやりとりを数回やると、自分でよく調べるようになるなど、仕事の様子が変わってきます。あいつの話は信用できない…になる前に、粘り強く確認したいと思います。